思い切り走っていると花流の後ろ姿が見えた。

「花流っ!!」

バッと振り返り思い切り目を見開く花流。

「つ、つば……!?」

言いかけた俺の名前ごと腕の中に閉じ込めた。強く強く抱きしめる。

「ごめん、ごめんな、花流。遅くなってごめん!」

「つ、ばき」

「花流…好きだよ」

この言葉だけは目を合わせて。視線を交わらせて。

「大好きだ」

「……っ!遅いよぅ!」

「ごめん」

「大好き!!」

花流が抱きついて来る。背中に腕が回る。俺達は、熱く熱く抱きしめあった。