「だからって……」

「そのためなら何でもできたの。だから、嘘をついたんだぁ」

一気に怒りが湧く。なんで、なんでなんで。

なんで、花流を傷つけたんだ。




「もう金輪際俺と関わるな。俺はやっと、自分の気持ちに気づいた。俺の大事な子を見つけたんだ」

愛は静かに目を閉じると俺にこういった。

「今までごめんなさい、楽しかった」

ああ、楽しかったよ。じゃあな。

心の中でそうつぶやくと俺は一気に走り出した。

花流、花流、花流っ……!

お前を、お前を忘れたりしないから!