「……ふぇ…」

「あーもう、泣かない泣かない」

ぎゅっと抱きしめてくれる。まるで小さい子じゃないか。……でも、このお花の匂いは大好き。いつでもかわらない、おかーさんの匂い。

「花流は強い子、大丈夫大丈夫」

「……ずび、うん」

鼻をすすって、着替え始める。よし、いつものあたしだ。

「いってらっしゃい、大丈夫よ!」

「ふふっ、うん、行ってきます!」

おかーさん、ありがとう。なんとかなる気がしてきたよ。きっと、大丈夫。

バタン、とドアがしまる。

「目、真っ赤っかなままだけど大丈夫よね、てへぺろ!」