「きゃあ!どーしちゃったのよ花流ちゃん!あらあら、真っ赤っかじゃないのぉ!」

朝、起きてきたあたしの顔を見たお母さんがひとこと。

パタパタとこっちへ来たと思ったら目元に冷たいタオルが置かれた。

「……ん」

「女の子の顔なのよー。真っ赤な目のまま学校へ行けないでしょう。ママ、何があったかは知らないけどなんとかなるわよー」

ほっぺたをサラサラと撫でられる。おかーさんは私が泣いた後いつもこれをしてくれる。

指は花の棘のせいで傷だらけのはずなのに、あったかくて優しくてなんだか安心しちゃうんだ。

なんとかなるなんて適当だなぁ。でもきっと気づいてるんだろうなぁ。

今日は珍しく、椿来てないもん。