あたしはむくれてほっぺたをふくらませた。
「だから、ごめんって謝ってるし」
「いいよ、別に怒ってないし。それより、アレって実話なの?」
いわゆるフツーの小説と違って、ケータイ小説だと実話を書いていることがある。
「いや、そのまんま実話を小説にしちまうと迷惑かかる人もいるかもしんねぇし、全部実話ってわけじゃねぇよ。脚色っつーか、アレンジしてる部分もあるしな」
「ふぅん。じゃあさ、あの初恋のエピソードの部分は?」
これはどうしてもしたい質問だった。彼がこれまで、どんな女のコを好きになり、どんなふうに付き合ったか興味津々だったからだ。
「ディティールはワザと変えてあるけど、ニュアンス的には実話に近いかもな」
「そっか…航平くんはあーいう初恋をしたんだ……」
航平くんのケータイ小説の主人公は、イケメン俳優を父親に持つ一般人の男のコで、彼はずっと好きだった女のコといろいろあったあげく、やっと付き合えるようになるんだけど、ある日、相手のコが本当の自分を見てくれていなかったことに気づく。
そのコが彼と付き合ったのは、彼がイケメン俳優のDNAを受け継ぐ男のコだったから――つまり、彼が父親ゆずりのイケメンだったからなのだ。
「だから、ごめんって謝ってるし」
「いいよ、別に怒ってないし。それより、アレって実話なの?」
いわゆるフツーの小説と違って、ケータイ小説だと実話を書いていることがある。
「いや、そのまんま実話を小説にしちまうと迷惑かかる人もいるかもしんねぇし、全部実話ってわけじゃねぇよ。脚色っつーか、アレンジしてる部分もあるしな」
「ふぅん。じゃあさ、あの初恋のエピソードの部分は?」
これはどうしてもしたい質問だった。彼がこれまで、どんな女のコを好きになり、どんなふうに付き合ったか興味津々だったからだ。
「ディティールはワザと変えてあるけど、ニュアンス的には実話に近いかもな」
「そっか…航平くんはあーいう初恋をしたんだ……」
航平くんのケータイ小説の主人公は、イケメン俳優を父親に持つ一般人の男のコで、彼はずっと好きだった女のコといろいろあったあげく、やっと付き合えるようになるんだけど、ある日、相手のコが本当の自分を見てくれていなかったことに気づく。
そのコが彼と付き合ったのは、彼がイケメン俳優のDNAを受け継ぐ男のコだったから――つまり、彼が父親ゆずりのイケメンだったからなのだ。


