彼は眉間にシワ寄せながら、おでこの真ん中から、手グシで長めのサラサラ前髪をわさーっと後ろのほうに、かき上げると、涼しげなまなざしで微笑んだ。
だから、あたしも微笑み返した。
「ね、航平くん、あたしのほっぺた見て? いま、えくぼ出てる?」
「あぁ、俺好みのカワイイのが出てるぞ。今のお前、すごくいい顔してる」
「じゃあ、あたし、いま、幸せなんだ♪ 心の底から幸せだって思ってるんだ♪♪」
あたしが笑うとえくぼができる。
えくぼはあたしが幸せな証拠。
だから、この海に約束するよ、いつも笑顔を絶やさない、って。
だから、お願い、消えないで、ずっといつまでも、あたしのえくぼ。
それにしても暑い。本当に、なんて暑い夏なんだろう。
今年の夏は、今までのあたしの人生の中で一番暑い夏だと思う。
そして、あたしの……あたしと航平くんの2人の夏はまだ終わらない――――
~Fin~


