熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~


「…つーか、足が治ってねぇままだと、うまくステップが踏めなくて、代わりに俺の足を踏まれるんじゃねぇか、って心配していただけなんだけどな。フッ」

イジワルでクールな王子の微笑み。

「あ~っ、ムードぶちこわしぃ!」

姫はすっかりご機嫌ななめ。

「おっ、えくぼが消えた」

「当たり前でしょっ、もォ!」

あたしはほっぺたを膨らませた。

現実はこんなものだ。あくまで妄想は妄想であって、現実とは全然ちがう。


だけど―――


「その調子じゃ、えくぼは当分見れそうにないな。フフッ」

「そうともかぎんないよ、ウフ♪」

「お、出た、出た、なぎさのほっぺたにえくぼが出たぞ♪」

「フフゥ~ン♪♪」

現実は現実で、それなりに幸せだ。

現実もそんなに悪くないと思う―――――