熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

「“あたしは”はもう分かったから、その先を言ってくれ。フフッ」

「あたしは……」

言わなくちゃ。ちゃんと思ってることを言わなくちゃ。

「あたしは、自分からあんなメール……送っときながら……こんなこと……言える立場じゃ……ないんですけど……」

「………」

彼が相づちを打ってくれないから…、

「………」

不安になって、あたしも黙り込んでしまいそうになる。

でも、ここで沈黙しちゃいけないんだ。言わなくちゃ。ちゃんとコミュニケーションができてれば、今度みたいな誤解だってなかったはず。

「あの……もう一度、友達から……友達からはじめてもらえませんか……?」

「もう一度? それはできないな」

突き放すような冷たい言い方だった。

「…!」

あたしは声を上げて泣きそうになった。

でも、ここで泣いたら全てが終わる。そう思って受話器を持っていないほうの、左手をクチにあてて噛んで声を殺した。