熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

「そ、それが夕方、雷が落ちたときにパソコンが壊れちゃったみたいで……」

あたしは笑うしかなかった。

「じゃあ、比嘉くんのパソコンはぁ?」

「えっ…」

一瞬、意味が分からなかったけど……。

「そっか! 今まで添削してもらうために、小説をメールにして彼のパソコンに何度も送信してたから、アッチのパソコンに残ってるよ!! ありがとうみさきちゃん♪」

「へっへ~ん♪ みさき、アタマいいでしょ~♪」

そのあと1時間ほど他愛もない話をして、みさきちゃんは上機嫌のまま、自分ちに帰ってしまった。


だけど―――――


一人残されたあたしには難問が残った。

航平くんに頼めば、落雷と同時に消滅したケータイ小説のデータを、たぶん修復させることができるだろう。

でもソレ以前の問題として、自分から『全部なかったことにして』とメールを送っておいて、今さらどうやって彼に頼めばいいんだろう?ということだった。

なんて話しかけたらいいのか分からない。