そして安座間なぎさというひとりの人間の存在を、みんなに認識してもらえれば、自信だってつくと思うし、そうなれば今までの自己嫌悪のかたまりみたいだった自分ともサヨナラできるし、みさきちゃんへの劣等感もなくなると思った。
「へぇ、そっか。俺たち、似た者同士なんだな。フフッ」
さっきは沈黙してしまった彼が、今度は笑って自分から仲間だと認めてくれた。
「そんじゃ、お互いプロのモノ書き目指して、いっちょ気合入れてみっか?」
「うんっ♪♪」
あたしは小さな子どもがするみたいに、笑顔で大きく元気にうなづいて見せた。
いちいち鏡とかで確認したりはしないけど、きっと“えくぼ”も出ていたと思う。
なんか、ホント嬉しい。
まさか、ほんの少し前まで、ずっと遠くから見ていることしかできなかった航平くんが、あたしと同じ、プロの物書きになる、っていう夢を持っていたなんて。
彼との距離が思いっきり縮まったような気がする。まさに親近感がわいたってカンジ。
世の中にこんな人がいるなんて。こんなに自分と重なる部分が多い人がいるなんて。


