ー武志sideー

風呂から上がり、寝室をそっと覗いてみると、美月が眠っているのが見えた。
どうやら彼女、わざわざ俺の場所を取ってから寝てくれているようだ。
うんうん、美月は彼氏思いの優しく素敵な彼女だ。

支度が終わり、ありがたく美月の隣で横になる。
美月がこちらに向ける寝顔はどこか幸せそうで、俺も嬉しくなる。
…そして、可愛い…。
本音を言うと、今日はベッドで襲ってやろうと考えていたが、こんなに可愛い寝顔を浮かべている彼女を起こしたくない。
何か、可哀想だしな。

俺は、美月のすべてが愛おしい。そう、すべてが。
…明日も、彼女と笑顔で過ごせますように。そう願った後、美月に心の中で語りかける。
俺さ、初めてだよ。こんなに深く、誰かが愛しいって思ったこと。
美月。好きだよ、愛してる…。
そろそろ眠くなってきた。
「おやすみ」
俺は美月に向かってそう囁くと、彼女の髪をそっと撫でて眠りについた。