1-4の教室。もうほとんどの生徒が来ているであろう。
「おはようございます」
「「「「おはようございまーす」」」」
私が挨拶をすると、だいたいの子が返してくれた。
「はーいそれじゃ席着いてー」
わぁ、心なしか皆少し黒くなってる。ま、今年は気温も高かったし、日差しも強かったからなぁ。
「皆さん、久しぶりですね。夏休み満喫しましたか？どこか行きましたか？」
「ばあちゃん家行ったー」
「海水浴したよー」
「沖縄行きましたー」
「麗香とお泊まり会したー」
…などなど、様々な思い出を教えてくれた。
と、そのうちの一人が
「先生はー？何しましたか？」
と聞いてきた。
「うーん、そうね～…」
武志とデートした、だなんて言えない。え、ちょっと待って私、この夏デート位しかしてなくない！？仕方ない、その中から何かを誤魔化そう…。
「あ、夏祭り行ったわ。そこで見た花火が綺麗だった～」
「「「「へー」」」」
一瞬静かになった時、クラスの女子の一人が呟いた。
「…彼氏？」
普段はかき消されそうな音量だったが、この静けさだからよく響いた。
「おぉ～茜言うね～」
「彼氏！？」
「先生どうなの？」
なんか、めんどくさくなってきた…。