翌日。
「美月ぃ…出なかったよぉ…」
「え!?何で?」
「それ分かってたらこんなに悩まないし…」
「だよね…ごめんね優子」
昨日は色んな不安が混じり合い、ほとんど眠れやしなかった。

…もし本当に別の人がいたら…。

「優子、浮気とか疑ってるんじゃないでしょうね?」
「えっ…」
いつもなら明るく軽快に『違うよ~』とかわせるのだが、今日はそんな気分になれない。
「キツいかもだけど、今は彼を信じよう?文句は後で散々言えばいいのよ」
「美月…!」
…何だかいつもと立場が逆転している気もするけど…。ま、いいっしょ!
「そうだねっ!ありがと美月!」
「うん、やっと優子らしさが戻ってきた」
美月と、私の斜め前にいる荒木先生がそっと微笑んでくれた。
「さ、仕事だよ?」
「っしゃーっ!」
気合いとやる気がむくむく湧いて来た。