でも確かに、料理が下手なのは残念ながら真実だ。
今度お母さんに教えてもらうわ、絶対。武志をギャフン…じゃなくて「美味しい」と言わせてやるのよ!!
「ねぇ私コーヒー飲み終わったよ、武志は?」
「俺も。じゃあ行く?」
「うん、帰ろ」
「俺んちにね」
ふざけんなよ、全く。
「ほんっとうに口の悪い国語教師だな~美月は」
「え、やだ聞こえてた!?」
「うん、今ふざけんなよって聞こえた」
きゃー最悪だ。ま、元からどーせ口が悪いのが私なのよ!
「とにかく俺んちに帰る。分かった?」
「分かんないよー…私達まだ付き合って一日じゃない…」
「同僚としては、4月からずっと一緒だ」
ただの屁理屈だっつうの。
「はぁー意味分かんないわ、もう知らないっ」
「…分かったよ、ちゃんと家に帰すから。な?怒んなよ…」
「嘘じゃないわね?ちゃんと家まで送ってねっ♡」
武志はとても正直だから、良くも悪くも使える。でも、そういう誠実なところが好きなんだ。
「じゃあ、帰ろ!」