ふわぁーっと大きなあくびをする

「どうしたの?ここ、目にクマできてるよ?」

「うん、昨日眠れなくって。」

「なんかあったの?水菜君の事?」

ピクッと彼の名前で反応する私

「やっぱり!惚気ちゃってここちゃんたら!真っ赤っかよーん。」

「んもう!美希ちゃんはからかってー!」

学校間で追いかけっこをする羽目になり、着く頃には二人とも息を切らし、汗を流していた

「ここ、おはよ。昨日は急にごめんね。なんか、誘いたくてさ。」

「大丈夫、嬉しかったから。」

「…そういえば、今日転校生くるってさ。」

「そうだっけ?聞いてないよ!」

女の子だといいなぁー

私の願いも空しく、転校生は男の子だった

「成宮 麗音です、よろしく!」

暑苦しそう、でも、男子だし関係ないか

他のクラスには超美人の朝比奈 栞ちゃんが転校してきたらしい

いいなぁー美人

私も美人だったら不安にならないのかな

「ここ?大丈夫か?」

ぼうっとしていると新が心配そうに見つめてきた

「うん、大丈夫だよ。…新、私なんかで良かったの?」

寝不足や最近のことの積み重なりが酷く
、不安が募っていた

「どうしたんだ?急に。」

「だって、私、美人じゃないし、チビだし…」

「はぁ、ここ。ちょっと来て。」

私は新に手を引かれて階段下に行った

「新?どうしたの?」

新は怖い顔をしていた

「…ここ、みんながいる前で可愛い顔しないで?さっきみたいな上目遣いとかさ、じゃないと…縛っちゃうよ?」