「あの二人、なんかいい雰囲気だねって言ったの!」

「うん、そうだね。」

本当似合ってる、私がいなかったらきっと朝比奈さんと付き合っていたんだろう運命だね、邪魔なのは私の方、きっと新も私なんかとはさっさと別れて朝比奈さんと仲良くしたいんでしょ?

いいよ、消えてあげる…ばいばい新

「ごめん、美希ちゃん。私帰るね。」

新、お幸せにね

小さい道を一人で黙々と歩く、なにも考えず、感じずに歩く

短い恋だったな…仕方ないか、だって私と彼女じゃ次元が違うもの、高望みしないほうが身のためだったのかな

空を見上げる、赤くなっていく空

ははっ、変だな…なんで視界が歪んでるのかな?

暖かいものが頬を伝っていく…ポロポロと落ちる涙が制服に小さなシミを作っていく

やっぱ私は弱いな、新が好きなくせに負けを認めちゃうなんて

泣き声に嗚咽が混じり、その場にしゃがみ込む

「あらたのばか!」

口をついて出た言葉はまた彼のことばかりだった

「どうしてこんなに苦しいの?助けて…助けてよ、あらた。」

「ここ、なんで泣いてるの?」

ふわっと新の体温と匂いが私を包んだ

「なんで?あらた…朝比奈さんは?美希ちゃんは?」

泣きながら聞く

「ああ、ここいないってなってさ、速攻で追ってきた。どうしたのここ?」

「…朝比奈さんとあらたが似合ってるって思ったの。朝比奈さん美人だし、スタイルだって抜群だし。私の勝てる要素まるで無いし、あらた取られちゃうと思うと苦しくて…もう私何が何だか…」

ぎゅっ

「え?」

「ここ、嫉妬してくれたの?嬉しいんだけど…でも、俺が女だって思うのお前だけだから。他の奴なんか関係無いから!信じて?」

新はさらに私をきつく抱きしめた

「あらた、私以外の女の子と話さないで!私本当不安なんだからね!」

「それは俺も一緒だっての。お前の無自覚さがどんだけ恐ろしいと思ってんの?」

新はわたしの肩に顔を埋める

「お前は俺から離れたら駄目だから、一生一緒!破ったらお仕置きするから。」

甘く囁く新