兎のしっぽ









「先生、私をどこに連れて行く気ですか……?」







生徒達の視線に耐えきれず
もがくのを止め、大人しく質問したが
すぐに返答を聞いて質問したことを後悔した





 
「良いところ。だ」







先生がぷらんとシャツの首根っこを掴んだまま
真顔で口角を上げる






……全然笑ってない


目が怖い

 






 
「………良いところって……なんか嫌な予感……」






 
無表情でスタスタと二河先生が歩き始めると
私は顔を青ざめながらボソッと呟いた



その間も二河先生はするために生徒達から挨拶をされると
「おはよう」と爽やかな笑顔で返事をする



その笑顔は私の不安を煽るものでしかなかった