おにいちゃんの友達

マドカの横顔を眺めながら、ストローに口をつけた。

マサキ・・・やっぱり相当落ち込んでるんだ。

さっきあんな冷たい態度とらなきゃよかった。

いくら自分を守るためだったにせよ、もう少し優しい言葉かけてあげたら。

静かにため息をつきながら、反省した。

今日は、マサキと晩御飯。

こんなことも久しぶりだ。

昔はよく、一緒にファミレス行って、サラダバーやドリンクバーで店員さんに怒られるくらいわいわいはしゃいでた。

いつ以来だろう。

きっと小学生の時以来だと思う。

あの頃とは全然違う、緊張感が私の体中をかけめぐった。

楽しみじゃないかと言われたら楽しみじゃないことはないけど、だけど、全然違う。

楽しみなのに、楽しみじゃない。

行きたいけど行きたくない。

マサキに会いたいけど、会いたくないんだ。

「ユイカ、うちオッケーだって。ユイカママによろしくねってうちのママが言ってた。」

「あーよかった。急なお誘いだったのにありがとね。」

「よく考えたら今日金曜じゃん!少々遅くなっても大丈夫だよね。」

「ほんとほんと!金曜だよー。ばんざーい。」

妙なテンションになってる自分がいる。

こういうのを浮き足立ってるっていうんだろう。

母からの電話の後、まったく落ち着かなかった。

時々、マドカに頭をコツンとやられて「聞いてる?」って言われた。

「聞いてるよ-」って返したけど、正直全然聞いてなかった。