おにいちゃんの友達

この場から離れた方がいいのかな。

だけど、もうすっかり人はまばらで、公園内も街灯以外は真っ暗だった。

茂みの手前で静かにしゃがみ込んだ。

「俺、何聞いても驚かないし、それでお前との関係が崩れるなんてことはないからさ。ここまできたら、今シュンタが抱えてるもの、全部吐き出しちまえよ。」

マサキの声が真っ暗な公園に静かに響く。

兄が深いため息をついた。

「マサキには全部お見通しなのかな。ほんと、お前には敵わない。今までもきっとこれからも。」

「何言ってんだよ。俺とお前は違う人間なんだぜ。敵うとか敵わないとかそんなの関係ないさ。俺はお前を尊敬してるし、これからもずっとそうだ。」

「マサキはすごいよ。そういうことが言えてしまう時点で。」

「だから、どうなんだよ。」

マサキの口調が挑発的になっていく。

こんな二人の会話聞いたことがなかった。

これからどんな話になっていくの?聞いているのが恐いような気がしていた。

「マサキはいつだってそうだ。結局、全部かっさらってく。運動もできて性格も明るくて、友達も多くてさ。俺はずっとお前がうらやましかった。でもそういう気持ちはねたみみたいで嫌だったし、何よりも俺にとってマサキは一番の友達だって思ってきたから。だから・・・、」

「だから?」

「だから、本当はマサキよりも前からずっとミキのこと好きだったけど言えなかった。」

ミキ?

ミキって誰?

ひょっとして、マサキの彼女・・・?