サボると決めたらしい雫は、私の手をつかんだまま階段を上っていく。
何故か解放されている屋上の扉を勢いよく開けて、雫はそのままコンクリートの上に寝そべった。
『……雫⁇』
『ん?』
『なんで屋上⁇』
そう聞いた私に、待ってましたとでも言うように笑った雫は、勢いよく立ち上がって私の前に立つ。
『小春!!!!』
『……ん?』
『あんたはね、ソロソロ春がこなくちゃいけないの』
真面目な顔でそういう雫にまた首を傾げる。
春が来る?
何を言ってるんだか。
今夏だよ⁇
強いて言えば、夏休み終わったよ??
なのに春????
『あのね、小春。
やっぱり、今は花の女子高生よ?
本業は勉強じゃなくて恋愛!!!
そんな時期を初恋まだ彼氏0で終わるのは絶対に勿体無いわ!』
