私と目があった澪雄君は、少しだけ微笑んでこちらに歩いてくる。



……勿論、学園王子と集団の女の子も。



『えっ! えっ!?』



慌てる雫に後ろを指差すと、振り返った雫はカチンッと固まった。



……そりゃそうだよね。


だって、あんな女の子集団も来たら怖いもん。



迫力ありまくりだよ……。



『小春ちゃん。雫、借りてもいいかな?』


そう言いながら笑う澪雄君に頷いて、雫の背中を軽く押す。


『……っ、小春⁉︎』


驚きながら、しっかりと澪雄君に受け止められている雫を見て微笑む。



『澪雄君。


一応もう直ぐ授業だから、雫解放してあげてね?』



そんな私の言葉に頷いた澪雄君をみて、雫にまたねと手を振る。


『……君、小春ちゃんって言うんだ⁇』



去ろうとした私に声をかけてきたのは、爽やかなスマイルを浮かべる学園王子。






何故学園王子が私に……⁇



これ、私の記憶の中では初対面だよね??



なんで私に話しかけてくるんだろう……⁇



『……聞いてる?』



『えっ、あ、はい。


えっと……立花小春です』