『ま、いいでしょ』
また肩を叩いた雫は、先にローファーに履き変える。
『そーかな』
『そんなに気にすることないって。
あ、あと、クッキー明後日に変更ね』
『え?』
まぁ、今日は遅いからわかる。
けど、明日は?
『ごめんね、小春。私、明日ちょっと用事があって』
そう言った雫の顔がなぜか赤くなる。
……ああ。デートですか。
『ラブラブですねー』
ニヤニヤしながら雫に言うと、驚いた顔をしたあと、顔を赤くする雫。
『何で分かったのよ』
『だって顔が赤くなったんだもん』
『うそっ‼︎』
慌てて顔を抑える雫を見て、今度は私が笑う。
『今更遅いって!
分かった! じゃあ、明後日ね?』
『……お願いします。
じゃあ、私こっちだから。
小春。あんた知らない人についていかないのよ?』
『子供じゃないから大丈夫だよ!』
そう言った私に笑った雫は、手を振って左に曲がる。
それを見届けた私は、そのまま真っ直ぐ進んで家に入った。
『ただいまー』
『おかえりー!!!』
