……雅も恋したことあるのか。
『まっ、小春は今のままで充分いいよ‼︎』
ニコニコ笑いながら言う夏帆に首を傾げる。
『まぁ、モテモテなのに鈍感ってのは結構痛いけど』
フォローになってないフォローをする雫を桜が叱る。
『てか、私、モテてないよ?
鈍感でもないしっ!』
結構わかる方だと思うよ‼︎⁇
『……やっぱ小春は小春だな』
勝手に納得したように頷く雅にまた首をかしげる。
キーンコーンカーンコーン……
『あっ、これ予鈴じゃない?』
桜の声にみんな我に返ったようにパンを食べるスピードをあげる。
確かに、いつの間にか屋上にいるのは私たち5人だけになっていた。
『ほらっ、小春っ‼︎
走りなって!』
あの後別れた私と雫は、理科室に向かって走っていた。
……私、今日走ってばっかだよね?
何だ今日は。厄日なの?
『…つ、ついたぁ〜‼︎』
ガラッと勢いよく扉を開けた私と雫に、理科担当の担任が笑って一言。
『アウト』
そう言った。
