『桜ッ! 何かあったの?』
私も弄りに参戦して、桜を問い詰める。
『……じ、つは…』
桜の彼氏はサッカー部で、中々イケメン……の上に頭もいいらしい。
サッカー部といえば奥手のイメージで、桜の彼もどっちかといえば奥手の方だった。
『へぇ……⁇ 龍衣も中々やるじゃない』
昨日一緒に帰った時、不意打ちでキスされた……らしい。
『じゃあ、桜はファーストキス終わったわけか』
雅の言葉にまた顔を赤くする桜は見るからに恋する乙女だ。
『あ、雫は⁇ イケメン彼氏とどうなの?』
『……ん? 私? 特に何にもないよ』
……いっしょに家で話してることは、特に何でもないに入るのか。
恐ろしや雫様。
『か、夏帆は? 何かあった?』
話題を夏帆に振った桜に、夏帆がフフンと鼻で笑う。
『おととい、ぐらいかな?
波人に告られてさ……』
めでたくお付き合いなさったってわけですか。
あ、波人君は、夏帆の幼馴染みで野球部のキャプテンをしてるんだよ!
夏帆曰く、小学生の頃の初恋らしい。
『私は何もないよ。
で、小春は?
相変わらずの初恋まだ?』
雅が私のパンを勝手にかじりながら目を向ける。
そりゃあ、まだに決まってるじゃん。
