……あれ、あたしなんで話しかけたんだっけ?
「あ、あの!話が無いんやったら、もう行ってもええですか?
そろそろ行かへんと遅刻してまいますよ?」
ーーあぁ、思い出した…
「ちょっと待って下さい!」
歩き出す彼女を必死に止める。
「なんですか?話があるんやったら早くしてくれまへんか」
この子、関西弁話すのか〜、と思いつつ
「すみません、呼び止めちゃって、あの、鈴ヶ丘中学校の人ですよね」
「そうですけど、それがなんですか?」
「えっと、じ、実はあたし、け、今朝、大阪に着いたばかりで学校がどこにあるか分からないんですよ!
だからもし、あ、あなた様さえ良ければ、一緒に、と、登校出来たらな〜、なんて……」
・・・シーン
―――や、やだ。何この沈黙。じ、地味につらい……
「……プッ、アハハハ!あんた、おもろいなー!」
「そ、そうかな?」
とりあえず答える。
「ウチ、標準語喋る人初めて見た」
ニコッと笑う大和撫子さん。
そうなんだ、と呟きあたしも一緒に笑う。
