sweetlove

翌朝ー

岬先輩はホントに迎えに来てくれていた。

なんとか準備して家を出れた。

蒸し暑いジメジメした空気と焼けるような初夏の太陽…。

ジリジリ体が焼けていくような気がした。

久しぶりに出た外は異常な位まぶしい。

けど…それ以上に眩しいのは昨日彼氏になったこの人の爽やか過ぎる笑顔。

「おはよ!!」って当然のように手を差し出してくれる。

「おはようございます」と笑顔で返しながら、私は先輩の手に手を重ねた。

「…緊張する?」と優しく聞いてくれる先輩。

コクンと小さく頷けば、「だいじょーぶ!」と優しく言ってくれた。

そして私たちは学校に向かった。

学校につくと、足がすくみ中々中に入れない。

ふと後ろから押されたような気がして振り向いた。

「みずーき、おはよ!!ほら、早く入りなさい!!邪魔よ~」とみよりが言ってきた。

なんだぁ、みよりが押してくれたんだね。

ざわついてるグランド。怖くてたまらない。

それを感じ取ったのか、先輩は手を強く握ってくれた。

「だいじょーぶ!だいじょーぶ!」とおまじないように言ってくれる先輩の言葉に救われた気がした。

深呼吸した。靴を履き替えて教室に向かう。

「教室まで送ろうか?」と心配してくれる先輩に大丈夫ですと言うと、

「先輩、後は私がついてますのでご心配なく~」とみよりは言って歩き始めた。

私もおいてかれないように、必死に歩いた。

「おはよー」と勢いよくドアを開けたみより。

約4ヶ月?の間にみよりは馴染んでるようだった。

私はまだ馴染めずに、孤立気味。

って仕方ないよね。入学して間もないのに学校来なくなって…

シュンと落ち込んでる私みて、声をかけてくれる周りのクラスメイト。

「具合、もう大丈夫?」とか、「久しぶりだね」とか、「わからないことあったら何でも聞いてね?」とか。

皆とても優しかった。

なので私はニコッと笑ってみた。

「笑った顔カワイー」とか女子は言ってくれる。

気遣ってくれてるのか、どうやら私、馴染めそうだ。

そして、席につくと、SHRが始まった。

担任が、「おはよう、河野。久しぶりだなぁ、放課後、俺のとこ来いよ」と言った。

えっ?私、呼び出し…?怒られるの?とか、思ってると、「何もしてねぇだろ?怒りはしない。話をするだけだ」と担任は優しく笑ってくれた。

良かった~なんて一息。「ノート、移させてもらっとけよ」って先生は言うけど…。

ホントは、コピーさせてもらってすでに張り付けてる。もちろん、カラコピだから、色も入ってる。

それを私のノートに張り付け、大事な部分だけは手書きで色をつけているので、ノートに関しては問題ない。

けど、一応頷いといた。

なんとかSHRが終わり、授業が始まった。

うっ、やっぱり厳しい。元々、勉強はそんなにできる方ではない私には、厳しいだけだった。

けど…せっかく入った以上、中退なんてダサいことは出来ないし、ちゃんと卒業はしたい。

だから必死で頑張ってみる。

みよりも勉強を教えてくれた。

けど、わからないところは多い。

やっぱり、放課後先生に聞きに行こ。

そう思って次の授業の準備をした。