sweetlove

先輩、ここだったの私、知りませんでしたー

私がそういうと、「俺もだよ?みずきちゃんはウチに来ないって思ってた。他からの内定決まってたんでしょ?」って言われた。

何でしってんるんですか?

「後輩の情報は入ってるから」とうまくはぐらかされた気がした。

学校について、私たちは靴箱で靴を履き替え、それぞれ教室に向かった。

サウスポーだけど、やっぱりノートとか取りにくいな…。

そんなこと考えながらも必死にノートを取った。

一時間め終了後、一人の女の子が声をかけてくれた。

「河野さんだよね?私、暁内 みよりよろしくね?良かったらノート取ってあげる」と声をかけてくれたので、嬉しくてありがとうと返事した。

文武両道な学校だけあって、入学式の次の日から普通に授業が始まった。

それからみよりとはすぐに仲良くなった。

この頃には、ギプスもはずれ、ほとんど治っていた。

しばらくしたある日、部紹介のため、体育館に向かった。

舞台の上で先輩たちが紹介をしている。

ボーと見てたらなんと、岬さん…。

思わず釘付けになる。

どうやら、バスケ部のキャプテンをしてるらしい。

バスケかぁ…いいなぁ…

声に出てたのか、みよりが今日、見学いこって声をかけてくれた。

そして、授業が終った放課後、バスケ部の見学に来ているだけど、やっぱり私の体はガクガク震えていた。

練習を見てると思い出してしまった。

あの時のことを…もう、ほとんど治っているはずの腕がいたい。

映像がフラッシュバックする。

私は耐えられなくなって、体育館を後にした。

体育館を出たところで、私はうずくまるように座り、耳を塞ぐ。

みよりが大丈夫?と声をかけてくれた。

同じように横にしゃがむと、優しく背中をさすってくれた。