激しいぶつかり合いだった。

音も人も…。怖いくらいに…。

けど…逃げたくない。私は思わず見いってしまった。

涼が、出てきた。

ウチとじゃなくて良かった…と思いながら涼を見つめる。

相変わらず変わらない、ものすごいプレイヤーで、コート内の空気をガラッと変えてしまう。

うまく交わしながら相手チームの奴らを蹴散らしてる。

ゴール前ー完璧なフォームで放たれたボールはゴールに吸い込まれるようにして入った。

そこから涼と涼のチームの華麗なる追い上げが始まった。

みんなでガンガン決めていく。

さすが…としか言いようがない。気づけば大差だった。

見いられた私は「涼ー頑張れ~」と叫んでいた。

岬さんは私の頭を撫でながら…

「アイツら、すげぇな」なんて言った。

岬さんの大きな手から熱が伝わってくる。

岬さんも興奮してるみたい…。

もちろん、涼の高校が勝った。

勝ちたいけど勝ったら涼とことあたる…そう思うと複雑だった。

男子は大奮闘していた。
「皆頑張ってー」と私は叫んだ。
皆はそれでやる気が出たのか、後半はガンガン決まり、初戦を突破した。

女子の試合も始まった。

女子の試合は男子ほどでは無いが、かなり激しい攻防が続いていた。

ウチの学校の出番…。

「みよりー皆、頑張ってくださーい!!」と私が叫ぶと、皆は笑いながら手を振ってくれた。

ジャンプボールはみよりがしていた。

すごい跳躍力で完璧にモノにしている。

すごい…みより。初心者とは思えないほどの実力。

研ぎ澄まされた神経と集中力…周りを見ながら確実に前進している。

リバウンドさえ、美しい…。

言葉は出てこない。ただあんぐりと口が開いた。

「どう?凄いだろ?めっちゃ頑張ってたんだ。誰よりも努力家で、プレイ中は生き生きしてんだろ」と岬さんは言った。

私はただ頷くしか出来なかった。

「ほら、声かけてやろうぜ」と岬さんに言われ、私と岬さんは声を揃えて、「頑張れ~」と言った。

試合終了のホイッスル…

決まるブザービート…。私たちの学校は、勝った。

見事に男女共に初戦を突破した。