「そっか...。でも、その大切だった人ってもう思い出せないんでしょ?」

「うん。」


「だったら、今の好きな人と幸せになりなよ。」


「...。」


「昔の人より、今の人を大切にしなよ。」


ねぇ、こんなこと言うつもりなかった。


「でも、それでも俺は...。」


「今大切な人がいるのに昔の人にすがってくの?」


「は?」


遥希のこんな顔は初めて見た。


「そうでしょ。」


「お前に何がわかんだよ!!!!!」


ガタッと椅子からたちがあった遥希。


何がわかるって...。わかるよ。


「何にも分かってないのは遥希でしょ。」


「何言って...「遥希が私こと忘れたりするからっ!!!!」」


「え...?」


しまった。と思った時には遅かった。


この時に、また狂い始めた歯車はそっと


音を立てて動き出してしまった。