貞子の言葉が頭に引っ掛かっていた俺は、一晩中考え事をしていた。


いや、考え事ではない。想い出に浸っていたんだ。


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今から15年前、17歳だった俺は週末にファッションのイベントに参加するべく、地元から少し離れた町のクラブに来ていた。


【NO FASHION NO LIFE】という名のイベントで、その名の通りファッションがメインで、それに音楽を融合させた様なイベントだ。


当時は未成年の飲酒に今ほど厳しくない時代で、17歳当時の俺も普通に会場に入れたし酒も飲めた。


現実の縛られに縛られまくった学生生活にウンザリしていた俺にとって刺激的で非日常的な空間に思えた。


オシャレな音楽を聞きながら、オシャレで自分より歳上の人間ばかりの空間に居る事で、自分は同世代の人間よりも遥かに優れているんだって調子に乗っていたなぁ。