「ちょっと、梨津!早く…ゲホゲホ」


うるさい。
平日なのに救急ってこんなに人が多いのか。


「そこで薬貰ってくるから待ってて」


なんでこういう時だけわたしに頼るのか
全く理解できないこの母親。


だいたい、なんで男に
連れてってもらってるのに
わたしが必要なの。いらないでしょ。


お母さんの肩を抱き、世話をしている
この間家にいたあの男。。



「大丈夫?俺に寄りかかっていいから」


たいしたことないのに大袈裟でしょ。
熱だってそんなにあるわけないのに。