…うるさい。なにか鳴ってる。
携帯…アラームか。
春休み中、昼まで寝てた俺には正直きつい。
久々の制服に腕を通し寝癖を整え
リビングに行くと親父と兄貴がもう
朝食を済ませコーヒーを飲んでいる。
「おい、隼人(はやと)初日から遅刻か?」
「ほんと、朝が弱い子なんだから」
「髪だけはセットしてるんだな」
俺はたぶんこの病気のこと以外は
「うっせえ!」
恵まれてる。
「あ!隼人!これ、ノート買っといたから
ちゃんと毎日書くのよ!」
「はいはい。書きます書きます。
母さんとの大事なお約束なんで」
皿の上の食パンを手にとり家を出た。

