「この間夏休み終わって体育祭って思ったのに 知らないうちにもう冬だね。 それどころか年終わる」 十二月の中旬。 柚葉はマフラーに顔の半分を埋めて 登校してきた。 「あっという間に受験だね」 「あのさ、宰我くんって本当に進学しないの?」 そう、隼人は進学をしないと言っていた。 だからって就職を考えているわけでもないと。 「ニートにでもなるんじゃない?」 卒業したらどうするのか 聞いてもいつも流される。