「あと、ご褒美も用意してあるから」 "梨津が一位でゴールしたらご褒美やるよ" そう言えばそんなことを言っていた。 もうバトンはすぐそこまで来ていた。 「がんばれよ、梨津。ここで待ってる」 周りの歓声は更に大きくなったが 隼人の声ははっきりと聞こえた。 数秒先に隣の人がバトンを受け取る。 それを横目に次は自分だと体に力を入れる。