手から水が落ちてハッとする。 花火の音も人の声もまたうるさく耳に入った。 力が入った体は気がつくと 人と人との間を必死に走っていた。 うるさかった雑音たちの中で はっきり聞こえた。 「梨津!」 彼の声が。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 無我夢中で走りどれだけの人にぶつかったか わからない。 やっと入口のところに出て止まる。