そんなある日のこと。
学校の帰りに、ミキとゲームセンターに行き、ミキと別れたその帰り道だった。
「シオリさん?」
振り返ってワタシは動けなくなった。
だって、振り返った先に立っていたのはあの時ヒカルに抱きついていた彼女だったから。
「あ……えっと……」
「私、ヒカルの彼女です。」
頭を殴られたような衝撃。
やっぱりヒカルの彼女なんだ。
「あのっ……でも私……最初ヒカルがシオリさんと付き合ってたなんて知らなくてっ……」
ああ、いい訳ね。
そう思って聞き流そうとしたとき。
彼女が言った言葉をワタシは絶対一生忘れない。
「ごめんなさいね。そんなつもりなかったのに……
ヒカルのこと取っちゃって。」
微笑みながら、こいつはそんなことを言った。
その時の感情はとても言葉では表せない。
ただひとつ、強く思ったこと。
許さない。
この女も、ヒカルも。
絶対許さない。
それから私は変わった。
自分のイメージから髪型まで、全てを変えた。
それにはたった一つの目的があったから。
ヒカルを取り戻すこと。
取り戻すっていっても、また付き合う気なんてない。
もう一回告白させて、今度はこっちが傷つけてやる。
ワタシと同じ思いをさせてやる。
そうでもしないと、ワタシは嫉妬とか憎悪とか、ゴチャゴチャした感情に潰されて、壊れそうだった。