恋の物語




──『誕生日おめでと、はな。』


はじめて呼ばれた、はなって。



「大滝くんっ!ありがとう!」


「おう」


「なにかお礼させてくださいっ」


「いや、別にいらねぇよ?」

あたしはイヤリングをつけた。

「どう?似合ってる?」

「ああ、可愛い。」

「…っ!」

かぁ…!やば、い。

破壊力が違う。

誰に可愛いって言われるよりも嬉しい。

「あ、あ、ありがと、う。」

だからつい、どもってしまう。