「って、ちょっと待ってよ!」 大滝くんはあたしを置いて歩きだした。 あたしは急いで大滝くんの後ろに並ぶ。 「は?なんでお前後ろなの?」 えっ、だって嫌じゃない? こんな可愛くない人がだよ? イケメンな大滝くんの隣に並ぶなんて。 「いっ、嫌じゃないですか?」 「嫌だったら一緒にかえんねーよ」 …っ嬉しい。 「じゃー。隣に並びますっ」 あたしは人ひとり分空けて隣に並ぶ。 ─どきどき 鼓動がおさまらない。 緊張する。