「はなちゃんおはよ!」

「あ、のぞみちゃんおはよ!」

今、あたしはひとりだ。

昇降口で男女に別れたから。

「みんなにすごい見られちゃったよぉーーーっ」

「ふーん、よかったじゃん」

「え…?」

あたしはのぞみちゃんに冷たい視線を向けられた。

「のぞみねぇ」

一人称が"私"から"のぞみ"に変わった。

「大滝くんのこと好きだったんだよぉ?」

のぞみちゃんはこんな話し方じゃなかった…

っていうか、信治の子とが好き…?

「うそ…」

「嘘じゃないよぉ?

1年生のときからぁ、ずぅーっと好きだったのぉ」

「え…」

「だからぁ、のぞみが付き合った方がいいと思うのぉ」