お願い、勇気をください。


「大丈夫だ。

俺がついてる。」

信治は雑誌を閉じ、あたしの手を握り、あたしの瞳を見つめた。

信治の瞳は真剣そのものだ。

「花が怖いなら俺もいってやる。」

「…っこわ、いよ…っ」

一緒に来てよ。

口から出そうになる。

ここまで迷惑をかけてまだかける、そんなことあたしにはできない。


本当は助けを求めたい。

喉から手が出るほどその優しさにすがりたい。