次の日。

1時間目から体育なんてやだなぁ。

しかも、沢島くんもいるし。

3組、4組、合同だからね。




「いっち、にー、さっん、しー!」

体育委員のりおちゃんが言って、みんなも続く。

今朝は食パン食べて、無くなったから帰りにスーパーで買わなきゃな、とか考えながら準備体操。


ダンッ!キュキュっ!

バシュ…っ

バスケットボール。

私が放ったボールはゴールの方へ綺麗な弧をえがいて、吸い込まれてく。

「ないっしゅー!はるっ!」

りおちゃんとハイタッチ。

パチパチパチパチ!

拍手…??

体育館の上の保護者席のところには人影がいくつかあった。

「はっるちゃ〜ん♩」

あ!!!ナオト先輩。

はるなお先輩達だ!

「「キャーーーッ」」

女子の黄色い歓声。

「はるなお先輩だっ!」「レンせんぱぁぁいっ!」「やばっ!かっこいい…!」

みんな口々に言う。

「はるちゃん、バスケ上手ねー。」

柔らかな笑みを浮かべるレン先輩。

そしたら、5人の先輩は上から鳥みたいに飛び降りてくる。

前と一緒だ…。

沢島くんから助けてくれた時。

「はるちゃん。」

呼ばれてそっちを見ると。

「は、はる、なお先輩…っ」

はるなお先輩は、ボールをよこせって感じで手を構える。

「はいっ!」

パッとボールを放つ。

いつの間にかコウスケ先輩やらユウヒ先輩やらも参加。

とりおちゃんとユウヒ先輩とはるなお先輩VSコウスケ先輩、レン先輩と私。

私はコウスケ先輩にボールを投げる。

コウスケ先輩はバスケ部らしく、軽やかなステップで、シュートのとこへ。

私はそこまで走って、ボールを受け取ろうとーーー。

「よっと!」

前に現れたのははるなお先輩。

うわわっ!

危ないっ、ドキドキしてる場合じゃ!

リオちゃんは、私をマークしてついてくる。

がこんっ!

ユウヒ先輩がシュート。




こんな感じで10分。

レン先輩なんか飴をなめてるし。

いわば、負け決定。

そのとき。

「こらっ!川本たちっ!」

男のこわい先生が来た。

「やっべ!逃げんぞっ」

ユウヒ先輩が言ってみんなが舞台裏へ逃げる。

そのときに、はるなお先輩だけ。

私をみて、軽く手を振ってくれた。

わたしも振りかえす。

キュン。

嬉しい。

恋じゃ、ない、よねーーー?