~ちょっぴり番外編~

コウスケside

村上 萌愛さん。

茶髪に近い長い髪。

スッと通った鼻筋。

目も大きくて、まつげも長い。

いうなら、美人。

誰だっけ、はるちゃん、とやらは可愛い系だけど、もあちゃんは、大人っぽい。

すごく、綺麗だって思った。

昔っからスポーツマンの俺は、はるなおたちと出会い、高校に入ってはじめてちゃんとした、信頼のできる友達ができた。

そして、恋も、した。

もあちゃんは初恋だ。

はじめは、【はるちゃんの友達】としてか、認識はなかったんだけど。

怪我したはるちゃんに絆創膏を渡したり、ハンカチティッシュを持ち歩いてたり。

些細なことなんだけど、女の子だなあって思った。

それなら、はるちゃんも一緒じゃないか?っておもったけれど、なぜか、俺はもあちゃんに恋をしてしまった。

もちろん、もあちゃんの好きな人も知りながら。

もあちゃんの目線の先にはいつも、ユウヒがいる。

ユウヒにはレンカという彼女がいるのに。

たまに、無邪気にレンカといちゃつくユウヒを見て、イラついた。

どこかで、これをみて、もあちゃんが傷ついていないか、

それだけが心配だった。

人を、好きになるって、すごいことなんだって感激したなあ。

それは、ある日だった。

俺らはそうじをしなきゃならなくなった。

はるなおが授業中に携帯を触ったとやらで中庭そうじを免じられ、俺らが手伝うハメになった。

そしたら、もあちゃんとはるちゃんもいた。

あぁ、なるほど。

はるちゃんとはるなおがメールしてたわけか。

俺はもあちゃんを盗み見た。

もちろん、もあちゃんはユウヒを見てた。

【もありん】という馬鹿らしいあだ名をユウヒにつけられ、あからさまに喜ぶもあちゃん。

なんか、ものすげぇ腹がたって。

ヤキモチか?これが。

そこに、レンカがやってきた。

それは、俺にとって、最悪なタイミングでもあったし、最高なタイミングでもあった。

レンカを見た瞬間、もあちゃんの顔はみるみる泣きそうになり、もう勝手に足が、動いてた。

もあちゃんの手をひっぱり、裏校舎へと連れて行く。

なにしてんだ、おれ。

「あ、ごめんな。」

泣きじゃくるもあちゃんをどう、慰めればいいのか、分からない。

「あの、さ、良かったら俺と付き合わない?」

初めての告白だ。

もあちゃんは俺を見て、ぱちくりと目を見開いた。

「あ、急に、困るよな。えっと、結構前から好きで、……」

もあちゃんはびっくりした表情で

「えぇ……?コウスケ先輩、が…?」

と言う。

うわ、俺、いま、会話してんだよな。

「うん、ゆっくり、考えて欲しい。」

俺はポンッと、もあちゃんの頭をなでて、いう。

コクコクと、もあちゃんはうなづいた。

ふ、かわいい。





そして、俺らは付き合うことになった。

自分で言うのもなんだけど、

もあは、ほんきで、俺を好きみたいだ。

まだ、キスはしてない。

もあは、いつも、

「キ、キス、しても、いいですよ!」

って言う。

なんか、そんなこと言われちゃ余計できなくなる。

だから、俺はいつも、ほっぺに軽くキスをするんだ。

そしたら、君は───────。









ほら、笑顔。