はるなお先輩の話を聞いた。

ランさんと付き合ったこと。

いじめられたこと。

苦しかったこと。

私はいつしか涙をこぼしていた。

びっくりするはるなお先輩。

「わ、私が…はるなお先輩を守ってあげ、ます……!」

「ふはっ、……うん。ありがと。」

はるなお先輩は柔らかな美しい笑顔をうかべた。

運動場が、ほのかなやわらかい灯りを放っている。

「あ……。キャンドルライトだぁ。」

次々にキャンドルライトはついていく。

赤、青、緑、ピンク、オレンジ……。

いろんないろ。

あぁ、屋上は特等席だ。

「綺麗だなぁ。」

はるなお先輩は目を細めて光をじっとみつめていた。

「俺達も、やろう。」

『一緒になれる。』

キャンドルライトを灯して、しまっていいのかな。

だってはるなお先輩は私を後輩としか思ってないわけで。

「ほら、来て!」

でも、そんなモヤモヤもはるなお先輩の笑顔を見たらふっとんでしまったよ。

キャンドルに炎をともす。

ポウ。

と、あたたかなひかり。

青色、とオレンジ色。

「うん、いーかんじ。」

「はい!」

笑って顔をあげると、

ばちりとめがあった。

クスリ、と笑うはるなお先輩。

ドキン、ドキン……。

鼓動がはやくなっていく。

「あ、は……るな…おせん、ぱ…」

はるなお先輩の顔がちかづいてきて。

心臓はばくばくに。

「あ、……」

フワ。

一瞬のこと。

唇じゃなかった。

けど、ほおにはるなお先輩の唇が触れた。

かおがあつい。

「ご、ごめ!」

「……。」

ほっぺがあつい。

はるなお先輩の唇やわらかかったな。

ほっぺに。ちゅー。

うわぁぁん。

でもでも、これって。

期待して、いいのかな。