カップラーメンを口に運ぶ。

今日はスーパー寄ってないからなぁ。

妹のなっちゃんは美味しそうにラーメン食べる。



「ごちそうさまでした!」

ご飯を食べ終わるとトタトタと、自分の部屋に向かう。

宿題かな。

私は麦茶入れたコップを洗い物台におき、すすいでいく。

ジャーーー。

なんだか、その音が心地よくて。

すすいだ水は当たり前だけど、もったいなさそうに流れていった。

〜〜

朝、か。

ソファーで寝ちゃってた。

いつも通りの支度をすませ、

家を出る。

3人で暮らすのにはもったいない大きな家。

お母さんの父、つまり私のおじいちゃんが、お金持ちだから。

有名企業の社長なんだって。

サワサワと、木が揺れる。

葉と葉の間から木漏れ日がキラキラと輝いて眩しい。

すぅっと空気をすうと、みどりとあおの匂い。

気持ちいい。

私は遅刻しそうになって、足を早めた。

〜〜

「糸田さん、ちょっといい?」

隣のクラスの沢島くん。

明るい人気者の人。

隣にいる、友達が「告白だよーっ」って騒いでる。

私は「うん。」といって、沢島くんについていく。

東校舎の裏側。

だいぶ前にはじめてはるなお先輩を、みたんだっけなぁ。

「あの!糸田さん!」

顔を赤らめた沢島くんに向き合う。

「好きです。付き合って下さい!」

どくん。

なんで私なんかに告白するかなぁ。

もっといい子いるのに。

「ご、めんなさい…」

「え?なんで?」

沢島くんは少しイラッとした顔を見せたから少しこわくなる。

「まだ、沢島くんのこと知らないし…」

「べつにいいじゃん、な?」

沢島くんって、こんなんだっけ。

「で、でも…」

「まよってるくらいなら、いいでしょ?ほら、行こう。みんなには付き合ったってことで。」

「や、やだっ!」

「いまさー、誰が一番に付き合えるかゲームしてんだけど?負けるの嫌だからさ。」

無理。無理だよ。

手をグッと握られる。

「や、やめ…っ」

どうしよう。

その時。

「やっべぇ!」

と、笑い声。

上を見上げれば、二階の窓から2年生が覗いてた。