ほら、笑顔。

カチカチ、ピコン。

私【おはようございます。】
はるなお【おはよ。今日のお弁当にウインナー欲しいな。】
私【はい!了解です(*^^*)】

っていうラインを朝から。

ふふっ。

嬉しいなぁ。

さっそくお弁当作らなきゃ。

なっちゃんの熱はもう下がっていて元気そうにしていた。

「なっちゃーん、服着替えててね。」

「はーいっ」

やっぱり、妹のなっちゃんの笑顔は癒されるなぁ。

〜〜

タタタッ。

「わわ、遅れちゃう!」

一生懸命、お弁当作りしてたら出るのが遅くなってしまった。

学校へのルートを早足であるく。

「あ!はるちゃんじゃん!」

後ろから声がして振り返ると、

あ…!

はるなお先輩たちがいた。

ユウヒ先輩もナオト先輩、レン先輩、コウスケ先輩も。

「あ、おはようございます!」

「はるちゃんが遅いってめずらしいね。」

はるなお先輩に言われて、

「ウインナー!いれてたんです、お弁当に。」

と答える。

「あははっ、ごめん、俺のせい?」

かすかに意地悪な笑みを浮かべる。

「ちち、ちがいます!」

私はぶんぶんと首をふる。

「そ、それじゃ、またお昼に!」

そう言ってかけていくわたし。

どうしよ、お昼ご飯がすっごく楽しみ。

その頃、はるなお先輩はレン先輩達に「ヒューヒュー」とか言われてたらしい。

〜〜

「じゃっ、もあ行ってきます!」

「おう!がんばってね。」

もあに声をかけてから教室を飛びだす。

昼休みだ。

会えるんだ〜!

楽しみっ。



ガチャリ。

重い扉をあけると、ブワッと風がふきつける。

「あ、きたきた。」

「こんにちわ!」

笑顔で迎えてくれるはるなお先輩。

「はい、ウインナーいれましたよ!」

パカリと蓋をあけて、ウインナーをとる。

そしたら、はるなお先輩は口をあけて…

うわわわわ。

これって、あーん、だよね!?

「ごほん、ごめん、そういうことかと思った…。」

私がはやくあーんをしないからか照れて口を閉じるはるなお先輩。

ほっぺがちょっと赤い。

「ご、ごめんなさい!…ど、どうぞ、口をあけてください!」

はるなお先輩は無邪気に笑って口をあける。

やば、手が震えるよ〜。

ぽいっ、と口に放り込む。

すると、はるなお先輩はニコッと笑って

「おいし。ありがとう。」

と言った。

「は、はい…。」

ドキドキする。

はるなお先輩は何も思ってないんだろうけどなぁ。

はるなお先輩はサンドイッチを食べ終わって立ち上がった。

また、フェンスからレンカ先輩を見るのかな。

ぎゅうっと胸が苦しくなる。

私はタッ、とはるなお先輩を追いかけた。

そして、はるなお先輩の服をギュッとつかむ。

「ん?はるちゃん?どうしたの。」

「あ、えと…もうちょっとお話、しませんか。」

声も手もふるえてる。

「ふふ、うん、お話しよう。」

はるなお先輩は私の頭をサラリとなでると、元の場所へ戻る。

「…っ。」

うまくいった。

もっとおしゃべりできるんだ。

私は駆け足で元の場所へ戻った。