ほら、笑顔。

キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴って、私は慌ててお弁当を片付ける。

「じゃあ、さよなら。」

「あ、まって、一緒に行こう!」

そう言って笑うはるなお先輩はやっぱり素敵だった。

バタン。





「じゃ、午後からも頑張れ。」

「はい、はるなお先輩も!」

そう会話をして、わかれる。

教室に戻ると、

「今日もラブラブしてきたの〜?」

ってもあがニヤニヤ。

「ラブラブなんてしてないよ!?」

「ごめんって!」

「それに…、今日、確信したの。やっぱりはるなお先輩はレンカ先輩が好きなんだなって。」

目を伏せていうと、

「そっかぁ。」

ともあも悲しそうにつぶやいた。

「がんばろーね。お互いっ」

私たちは笑いあった。

〜〜

「ただいまー。」

シン…とした広い家に帰る。

あれ?返事がないな。

なっちゃんは遊びに行ったのかな。

「なっちゃーん?」

靴を脱いで、リビングに入ると、

「なっちゃんっ!?!」

妹のなっちゃんがソファに寝転んでしんどそうに息をしていた。

「おねぇちゃん…。」

「どうしたの!?」

かけよって、おでこをさわる。

「熱だ…。」

どうしよう、病院だよね。

泣きそうだ。

でも、こんなときに泣いてらんない。

「なっちゃん、病院行こう!だっこするからね!」

なっちゃんをかかえて、家をでる。

どこの病院に行ったらいいの…?

とりあえず、私は近くの病院に走った。

「つ、ついた……。って、休み…?」

どくん、どくん。

「はぁ、はぁ、…どうしよう!」

だれか助けてくれそうな人はーーーー。

どきん。

「はるなお先輩っ!」

私はすぐそこの自動販売機にいた、はるなお先輩に声をかける。

いいタイミングだ。

私となっちゃんの異常な様子に気がついたのかすぐ駆けつけてくれた。

「あ、あの、病院、どこにあるかわかりますか?」

「うん、わかるよ!ちょっと待ってて」

そう言ってはるなお先輩は自分の自転車を取りに行く。

私が後ろに乗り込むと

「しっかり、妹抱えててね。」

と、言って、自転車をこぎ始めた。

よかった。

はるなお先輩がいてくれてよかった。

〜〜

「うん、お薬出しとくね。」

優しそうなおじいちゃん先生が笑う。

「は、はい、ありがとうございます。」

安堵の表情を浮かべる私。

お金を払って、お薬をもらう。

待合室には、はるなお先輩がなっちゃんを抱きかかえてた。

「ほんとにありがとうございました!」

「うん!どういたしまして。」

柔らかく優しげな笑みを浮かべてくれるはるなお先輩。

「なっちゃん、帰ろっか。」

スヤスヤと眠るなっちゃんに声をかけて、だきかかえる。

「送るよ。」

はるなお先輩はそう言って頭をポンポンしてくれた。

どきんっ。

わああああ、やばい…っ!

大好きだ!





「送ってくれて、ありがとうございました!」

そう言うとこくり、とうなづいて

「家、1人なの?」

と真剣な顔つきで言う。

「あ…、えっと。お父さんがいるけど、たまにしか帰ってきません…。」

可哀想、とか思われたかな。

「そっか、頑張ってるんだね。えらいえらい、はるちゃん!」

どきん…。

こういうとこ、大好きだなぁ。

「あ、携帯、持ってる?」

えっ!

「は、はいっ。」

そして、はるなお先輩と私はラインを交換した。

う、嬉しい…!

「何かあったら、すぐ連絡ね。バイバーイ。」

そう言って、すぐにはるなお先輩は消えてしまった。

ありがとうございました。

私は心の中で何度も言った。