ささいなこと。

キミの髪がはねてるとか、笑顔がかわいいだとか、

誰かを見つめてる。

とか。

ささいなことなんだけどね、

それだけで、胸がキュンとしたり苦しくなったりしちゃうんだよ。

ーー

「はーるっ!」

「あ、もあ。おはよう。」

朝、教室でばたりと机に倒れこんでいると、もあが声をかけてくれた。

優しいな。

もあは私の髪の毛をくしでときながら、

「元気ないね?家でなにかあった?それとも恋愛?」

と言ってくれる。

ほぼ、私と妹のなっちゃんだけで住んでるだだっ広い家で、お父さんは出かけてるからそういうのをもあは心配してくれる。

「うーん、恋愛…かな?」

苦笑を、浮かべる。

「そっかぁ。はるなお先輩とはどうなの?」

「あはは、失恋かなっ?」

笑って言ってみせると、

「ばかばか、はるのばかっ。そうやって我慢ばっかりしてさぁ…!」

もあは下を向いて私の机をペチペチと叩く。

「も、もあ…っ。」

朝から泣きそうだよ〜っ!

「ありがとう。」

そう伝えるともあは私をぎゅうってしてくれた。

全部、話した。

「レンカ先輩、かわいいもんなぁ。モッテモテじゃん!」

私ももあも、片想いだ。

「がんばろーね!」

「うんっ!」

〜〜

今日もまた、私は屋上へと向かう。