あーあ。

嫌われちゃったかな。

放課後になってもモヤモヤしたまんま。

部活にむかうもあを応援してから靴を履き替える。

「はぁ…っ。」

靴箱に座り込む。

あついな。

ほんと、全部が間違ってたんだな。

あんなに目を合わせてくれて、名前を呼んでくれて。

自惚れてたよ。私。

バカだから、簡単に自惚れちゃうんだよ。

「あ…!やっとみっけた。」

声がした。

甘い声。

私をドキドキさせるーーー。

「は、るなおせんぱい…っ」

どきんっと胸が高鳴る。

「ごめん、お昼のときはごめんなさい。勝手に諦めろとか言って…。好きでいてね?」

申し訳なさそうに頭をかくはるなお先輩。

「ちがっ…。私こそきつい言葉言ってごめんなさい!」

頭をさげると、あたたかな手が私の頭を優しく撫でた。

ハッと顔を上げた時。



ドキン。



優しく微笑むはるなお先輩。

「わ、わ、たし、は…。ユウヒ先輩を好きじゃありません。他に、好きな人、がいます。」

声が震える。

もっと前から気付けば良かったな。

ドクン、ドクンと心臓が脈打つ。

はるなお先輩は安心しきったように笑う。

笑わないで。

私にそんな笑みを向けないで。

自惚れてしまうから。

一方的な私の想いになってしまうから。

はるなお先輩が誰を好きだとしても。

私はーーーー。



《貴方が好きです。》