私、糸田 羽瑠。

高校1年生。

お母さんは昔に亡くなった。

お金だけをしっかりと残して、自殺したんだ。

お父さんは女を連れ込んだり、女のところへいったり。

そして、妹が1人。

小学2年の微妙な時期。

けして楽しくはない、日々を送っています。

〜〜

甘いかぼそかな匂い。

美晴さんだ。

朝、起きるとリビングには香水の残り香があった。

美晴さんは、お父さんの愛人だろうか。

一番、お父さんとの交際が続いてる。

私はキッチンの前にたち、セミロングの髪をしばり、お湯をわかす。

食パンも焼いて。

ソロソロと妹の糸田 奈都が起きてくる。

「なっちゃん、おはよう。」

微笑みを見せれば、

「おねぇちゃん、おはよう」

と、ぼやけた顔でヘラヘラと笑う。

私たちは朝食を食べ始めたーーー。

〜〜

高校。

市の中でもレベルは高い方。

教室は明るくて、楽しい。

居心地もいい。

朝。教室に入ると

「はるっ!おはよう!」

明るい笑みを浮かべて言うのは

村上 萌愛。

かわいくて、頼りになるいいこ。

「うわっ、はる!髪の毛ボサボサっ」

そう言いながら、もあはくしで私の髪をといていく。

ところどころ、ギシっ、と止まり痛いけど。

シャンプーの香りがフワフワと宙に漂っていた。

「はるはもったいないねぇ。こんなにかわいくてべっぴんさんなのに。」

みんなはよく、わたしをかわいいやら、美人やら言う。

おかしいな、そんなはずないのに。

細いのだって、いわばご飯を、あまり食べてないからで。

目が大きかったり、鼻が小さくて高かったり、そういうのはお母さん譲り。

こうして、私の1日は始まるーー。