結局今日は、西川先輩に行為中ずっと口説かれてた。


ーーしかもあたしがあの時言わなきゃ絶対、朝まで帰してくれなかっただろうなぁ。
こんな面倒な男とは思わなかった。


そーっと玄関を開け、静かに靴を脱ぎ、家に上がる。




「……郁也」




すると、タイミングよく、リビングのドアからひょっこりと顔を出す、兄の姿があった。



ーーてゆーか、あれ?




「郁也、まだ寝てなかったの?
もう3:00過ぎだよ?明日学校あるのに。
……あ!もしかしてあたしが帰るの待っててくれたの!?」



「馬鹿言うな。……少し昼寝したから眠れなかっただけさ」




呆れたようにそう言い捨て、あたしの方に背を向ける郁也。




「ねえ、お兄ちゃん。一緒に寝よ?」



「………は?」



「せっかく二人揃って起きてるんだからいいじゃん……ね?」



「なにいきなり……。ていうか意味わかんないし」





嫌がる郁也の腕を引っ張り、郁也の部屋へと向かう。




ーーこれが、あたし……妹の、長い長い放課後。